
報酬プログラムは、一見複雑に見えますが、その中の原理は3つしかありません。世の中に多くある報酬プログラムは、これら3つの原理を組み合わせ、重みを変えたものにすぎないと言うことができます。
原理のひとつは、権利差。これは、ステアアップと呼ばれる場合も多く、パーセントの差による報酬のことです。
2つ目が、オーバーライド(ボーナス)。これは、自分から数えて何段目から何%入るといったものです。どちらかと言えば、単純な報酬原理によるものです。
3つ目が、パスアップ(ボーナス)。こちらは、基準額が繰り越されていくというかたちの報酬方式です。
複雑に見えるプログラムも、このステアアップ、オーバーライド、パスアップ、あるいは、その変形の順列組み合わせですべて成り立ちます。まずはこの3つの仕組みをしっかり理解することが大切です。
ステアアップは最も一般流通と類似しているシステムであり、その内実は完全なパーセントの差による報酬です。会社を例に出して、計算してみましょう。
<アムウェイの例>

例えばあなたの下にA(30万BV売上)、B(15万BV)、C(15万BV)の3つのグループがあった場合、合計27000円が、あなたの報酬(成績別ボーナス)になります。
<Acubeの例>

同じようにあなたの下にA(100万円売上)、B(75万円)、C(75万円)という3つのグループがあった場合、合計32万円が、あなたの報酬(アクティブボーナス)になります。
このように、パーセントの差(権利差)が報酬を生む。これは、一般流通と同じです。
このステアアップは大きく分けて2種類あります。固定権利と変動権利です。
先ほど説明したアムウェイやAcubeは全て変動権利で、毎月の売上によって自分の持ちパーセント(権利)が変動します。
固定権利の代表的なものは、一般流通です。たとえば携帯ショップなど、販社や代理店などという権利をとれば、50%とか40%という権利が保持されるというものもあります。日本の古いネットワークビジネス、昔からある耐久品のネットワークビジネスなどでは、固定権利を採用しているところが結構あり、売上によらずにそのパーセントが保証されるという形をとっている場合もあります。
いずれにしても、自分の持っているパーセンテージと、傘下の持っているパーセンテージの差がある時に、報酬を生むようなシステムになっています。これがいわゆるステアアップ(権利差)という考え方であり、誰にでもわかりやすい報酬計算のシステムです。
オーバーライドは、ニュースキン、ハーバライフ、FLPジャパンなど多くが採用していますが、各社で呼称は異なります。(ニュースキンはブレークアウェイボーナス)ブレークアウェイ後の、保証プログラムには、オーバーライドの他に「パスアップ」という方式もあります。
傘下がブレイクアウェイして独立グループになったとき、上位グループと下位グループのステアアップによるパーセンテージが並び、権利差がゼロになってしまいます。これでは傘下を育成しないほうが得をするということになってしまうため、傘下が独立したときにはステアアップ以外の原理により上位の育成者の労に報いるようにリーダーシップボーナスという新たなボーナスを発生させます。この還元の仕方の一つがオーバーライド方式です。ステアステップ、ブレークアウェイ方式のメリットは、まず、シンプルで伝えやすいこと。次に、他のプログラムと複合しやすいことなどが挙げられます。さらに、段階的に昇格条件にチャレンジすることから、グループの売り上げに勢いがつきやすい、ということもいえます。
10年以上継続して安定した実績を上げているMLM企業の多くはこの方式を採用しています。
例えばあなたの下にAさんがいて、全体で800万の売上があり、その下にX(売上300万円)、Y(売上500万円)の2つのグループがあった場合、リーダーシップグループの基準を500万円以上とし、5%のリーダーシップボーナス率とする。
Aグループから発生するオーバーライドボーナスは、単純にAグループの売上からYグループの売上を引いた額
これがあなたに発生するリーダーシップボーナスになります。
この仕組みを作れば5%の枠の中で報酬を分配でき、過払いになりません。以上、オーバーライドの場合の発生の仕組みは、非常に単純です。
パスアップは外資系ではアムウェイ、国内ではウィンズインターナショナル、グリオ、スカイクリスタル、サイバーブレインなど、多くの企業が採用しています。 オーバーライドとの違いは、発生の仕組みに補正を設けるところです。補正を一言で言えば、発生すべき金額に対して、あらかじめ定められた最低保証額を設定します。発生したボーナスが最低保証額未満の場合には、リーダーが補填して、最低保証額を発生させる形にします。つまり、最低保証額は常に発生する仕組みになっていることになり、これは一見いいシステムに思えるはずですが、あなたも最低保証額を発生させなければならないという義務を負うのでそれほど甘いものではありません。

同じようにあなたの下にAさんがいて、その下にX(売上300万円)、Y(売上500万円)の2つのグループがあった場合、リーダーシップグループの基準を500万円以上とし、5%のリーダーシップボーナス率とします。
最低保証額は単純な掛け算の500万×5%=25万円となります。
オーバーライドの例と同じように、
これがあなたに発生するリーダーシップボーナスになりますが、これでは最低保証額の25万円に届きません。最低保証額以上発生している場合はそのままですが、最低保証額に満たない場合は、あなたには25万円という最低保証額(15万円ではなく)を保証するということになります。これがパスアップによるボーナスの補正ということです。 あなたへの補正の原資はどこからきているか、実はAさんが補正してくれているのです。Aさんにフォローする力があってちゃんとフォローしていれば自分のパーソナルグループも500万円の売上を達成できるはずだったのに、300万円しか売り上げてない。ということはAさんは満額の仕事をしていないのだから、減額しようじゃないかというのがパスアップの考え方です。同様にあなたがに発生した最低保証額の25万円を満額受け取れるかどうかは、今度はあなたのパーソナルグループの売上によって決まってくることになります。最低量の積荷がないと出発しないトラックと似ています。
オーバーライドの場合は、フロントラインのAさんのパーソナルグループの売上が大きくならないと、大きなボーナスが発生しません。これに対してパスアップ方式では、傘下のグループの深いところをフォローした場合でも、最低保証額が発生するというメリットがあります。これがパスアップとオーバーライドの大きな違いです。
極端な話、あなたのすぐ下のAさんのパーソナルグループの売上がゼロになった場合、あなたへのオーバーライドボーナスは、完全にゼロ円になります。ところが、パスアップの場合は、あなたへの25万円は発生します。ここが違いです。簡単に言えば、Aさんが仕事をしていないから、Aさんの取り分があなたにきているという形になります。
つまり、オーバーライドは発生した時点でそれぞれが受け取るボーナス額を確定してしまうシステムで、パスアップはそこで確定しないで、常に最低保証額は発生するように補正するシステムです。この最低保証額、最低保証義務という考えを取り入れることによって、どういう違いが出てくるかをよく知ってください。
オーバーライドの場合は、自分の直(フロントライン)のパーソナルグループの売上の5%が単純に入ります。この直のパーソナルグループの売上がきちんとあれば、つまり直に力のある人間がいた場合だけ、あなたに報酬が発生します。そこから下の売上が何億出ようが、あなたには一切関係がありません。要するに、1段目の売上が大きくなればなるほど、オーバーライドの額も大きくなります。言わば、横に広がるリーダーシップボーナスです。取得できる金額は、単純に段数で制限されるわけです。これがオーバーライドの特徴です。
一方、パスアップ方式では、フロントライン(直)のパーソナルグループの売上が少なかった場合は、自動的に補正されます。したがって、一つの系列からは必ず最低保証額、この場合ですと25万円があなたに保証されます。その代わり、あなたも上位者にそれを保証しなければなりません(したがってそれを全額受け取れるかどうかは、あなたのパーソナルグループの売上次第です)。逆に言えば、一つの系列の売上がどんなに大きくなっても、最低保証額より多くは発生しないということが通常です。つまり、金額による制限だと言うことができます。
以上より、過払いを防ぐためには、オーバーライドの場合は単純に段数で取れる範囲を制限して、過払いを防げばよいことになります(今まで1段で説明してきましたが、実際には何段かになります)。
それに対してパスアップでは、1系列から発生する金額を制限することにより、過払いを防いでいます。
以上のようにリーダーシップボーナス(オーバーライド、パスアップ)は設定されるわけですが、オーバーライドにしてもパスアップにしても、欠点が出てきます。その欠点を補正するために段数にある程度深みを持たせたり、ボーナスを多段階にしたりというふうな仕組みが取り入れられているわけです。 こういったことが報酬プログラムを複雑に見せています。それらについては後述しますが、本当の基本となる骨格は以上の通りです。
結局、パスアップもオーバーライドも過払いを防止すると同時に、虫のいい考えができないようなシステムになっています。
自分が欲しければ自分がその取得する条件を満たします。そのことによって、上位者にその分の還元がなされます。自分への還元は、自分の下位者がその義務を果たすことによって、初めて可能になります。
ネットワーク・ビジネスは前述のように、頑張れば頑張るほど大きく稼げる可能性はありますが、楽ができるかと言うと決してそんなことはありません。権利が欲しければ義務を果たさなければいけないという、社会の当たり前のルールに沿った構造になっています。「自分はもらうけれども、人にはあげない」といった虫のいいことは、システムとして「一切」できないようになっています。ここで「一切」とカッコをつけたのは、一般の社会では長期間は無理としても、短期間ならば力関係やその他でこういった無理が効かないこともないからです。こういった不公平感は、30歳位まで生きた方は一度や二度は経験しているのではないでしょうか。「一切」とカッコをつけたのは、システムとしてまったく認められてないということを強調したいからです。
以上述べてきました通り、報酬プログラムはステアアップ、オーバーライド、パソアップという三大骨格、原理によって構成されています。この原理は現実に存在する報酬プログラムに対して、ちょうど三原色のようなものです。中学校の美術の時間に三原色というのを習いましたね。もうお忘れかもしれないので簡単に説明しますと、色の三原色は青赤黄の三色(ちなみに光の三原色は赤緑青)です。これらの三原色の配合で、あらゆる色は表現できます。
後ほど各社のプログラムについてご紹介しますが、どんな報酬プログラムであっても、その原理はステアアップ、オーバーライド、パスアップの三つの考え方であり、その配合で様々な色合いを見せるのです。